【緊急声明】
「硬膜外無痛分娩が自閉症スペクトラムのリスクになり得るという報告は結果の解釈に大きな課題があり断定できない」
一般社団法人日本無痛分娩研究機構は、2020年10月12日付でJAMA Pediatricsに掲載された論文
“Association Between Epidural Analgesia During Labor and Risk of Autism Spectrum Disorders in Offspring”
https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/article-abstract/2771634
に関して、計画された医学的研究のデザインに対する結果の解釈に大きな課題があり断定できないと判断します。
自閉症スペクトラムの診断はそもそも全人口の1%を超えると言われていることから、当該報告にある硬膜外無痛分娩の有無から自閉症スペクトラムのリスクを検出できるだけの症例数が不足している可能性が高いと判断されます。また、当該報告で行われている自閉症スペクトラムの診断を多施設で実施した場合の疫学的調査や多施設共同研究も実施されておりません。
従いまして、硬膜外無痛分娩が自閉症スペクトラムのリスクになり得るという報告は結果の解釈に大きな課題があり断定できないと判断します。
硬膜外無痛分娩は陣痛の痛みを緩和する方法としては、今や標準的な医療行為になっています。私たちは、硬膜外無痛分娩が提供されないことによる患者様の不利益があってはならないと考えています。
なお当該報告でも硬膜外無痛分娩とASDの発症に因果関係があるとは解釈されないと考察されております。
cannot be interpreted as a demonstration of a causal link between LEA exposure and subsequent development of ASD
2020年10月15日
一般社団法人日本無痛分娩研究機構
代表理事 入駒慎吾